デリケートゾーンのお悩み相談室
『デリケートゾーンケアは全身に影響』正しいケア方法で美容と健康を手に入れる
2022.02.10
今回はエチケットとしてではなく、心身の健康のためのデリケートゾーンケアについてご紹介します。膣周りのケアはニオイや乾燥を防ぐだけでなく、更年期のイライラや脳の老化防止にも効果が期待できるといわれています。女性特有の心身の不調でお困りならデリケートゾーンケアから始めてみましょう。
目次
デリケートゾーンケアは全身へ影響する
雑誌やCM等で「デリケートゾーン」という単語は普段から耳にしているという方が多いと思います。しかし、そのデリケートゾーンが女性器のどこからどこまでなのかについて十分に理解している人は少ないように感じます。
デリケートゾーンとは、簡単に言ってしまえば膣まわりの「外陰部(外性器)」全体のことを指します。
この外陰部のケアを怠ると加齢に伴う不調や日頃のケア部族の積み重ねによってさまざまなトラブルを引き起こしてしまったり、場合によっては心や脳にまで悪影響を及ぼしたりする可能性があります。一方で、このデリケートゾーンのケアをしておけば心身に良い影響を与えることができるともいえます。
しかし、何故デリケートゾーンの状態がこれほどまでに心身の健康状態に影響を与えるのでしょうか。
その理由は身体の内部を通る「神経」にあります。
膣周りの神経は骨盤神経につながり、骨盤神経が脊髄につながっています。脊髄は直接脳につながっているので膣周りの不調がそのまま脳にも伝わってしまう、というメカニズムです。
だからこそ、ニオイや乾燥などの膣からのSOSを放っておくと活力が沸いてこなくなったり、情緒不安定でイライラしてしまったりといったトラブルが起きてしまうことがあります。
デリケートゾーンに適したソープでのケア方法
デリケートゾーンからくる不調を軽減するにはまずデリケートゾーンを“清潔に保つ”ということが必要です。だからといって、せっけんやボディソープで何度も洗ったり頻繁にトイレットペーパーで拭いたりするのは逆効果です。
陰部には膣環境を良好に保つ善玉菌も多く存在しています。これらを取り去ってしまうことでかえって雑菌を増やしてしまったり感染症のリスクを高めたりすることになりかねません。だからこそ、陰部は弱酸性で低刺激なソープを使う必要があります。ソープをしっかりと泡立て、泡を動かすようにして素手で優しく洗います。このとき、膣には触れず、あくまでも外陰部のみを洗うようにしましょう。
デリケートゾーンケアで心のケア
デリケートゾーンをケアすることは心の健康にもつながります。
膣と外陰部をやさしくマッサージすることで体温が上がり、新陳代謝が上がります。冷えが改善され、身体が温まることで緊張をやわらげストレスを軽減することができます。忙しい日々が続いている方はもちろん、冷えや肩こり・腰痛が気になる方も毎晩のバスタイムに数十秒間のマッサージを取り入れてみましょう。
デリケートゾーンのマッサージ方法
手にデリケートゾーンに適したオイルをつけ、大陰唇と小陰唇を陰毛が生えている恥丘側から膣口に向かって優しくマッサージしましょう。このとき気を付けたいのは肛門付近から上に向かってマッサージしてしまうことです。肛門付近はしっかり洗えていると思っていても大腸菌などの菌が付着しているので尿道に入ると膀胱炎を引き起こす可能性があります。念のため下から上(肛門から尿道)には動かさず、恥丘側から下に向かって一方向にマッサージするようにしましょう。
デリケートゾーンケアはエイジングケア
膣周りのケアは心に良い影響をもたらすだけではなく、美肌や若返りにも効果が期待できます。特にデリケートゾーンの「保湿」は重要です。顔に化粧水を塗るように膣周りにはオイルや保湿クリームを塗布しましょう。マッサージや保湿ケアによって陰部が潤うことで卵巣から分泌される「エストロゲン」という卵胞ホルモンの分泌が活発になります。このエストロゲンは、髪や肌のツヤとハリ、集中力や記憶力などの脳機能、そして自律神経を安定させるために重要な役割を担います。
ここでピンときた方がいるかもしれませんが、このエストロゲンが作用し、自律神経や女性ホルモンのバランスが保たれることで「更年期障害」の諸症状も抑えることができます。40代後半に差し掛かり、「なんだか火照りやすくイライラしやすい」という方や、「疲れやすく些細なことでも落ち込んでしまう」といった症状が出てきた方はすぐに実践できるデリケートゾーンの保湿ケアもぜひ取り入れてみてください。
デリケートゾーンの保湿方法
陰部を専用のオイルやクリームで保湿することはもちろん効果的ですが、外側だけでなく内側の潤いにも効果が期待できる「オイル湿布」は特におすすめです。入浴後、柔らかくなった会陰に、陰部専用のオイルや肌専用のゴマ油をたっぷりしみ込ませたコットンを押し当てます。両膝を立てた体育座りの状態でリラックスして行うことで同時にリラクゼーション効果も得られます。このオイル湿布は血行促進により老廃物を流しやすくするだけでなく、継続すれば乾きやすい膣にも粘液が戻ってきます。日頃からお風呂上りに陰部を保湿することで、膣内だけでなく肌や髪の潤いにもつながっていきます。
日頃から気になる不調がある人こそケア習慣を
デリケートゾーンのケアといえば、パートナーとの性行為のためのエチケットや痒みやニオイの予防といったイメージがあるかと思います。しかし、日頃からケアすることで膣周りだけでなく全身に良い効果をもたらします。最後に、デリケートゾーンケアによって心身に起こり得る良い効果についてご紹介します。
【デリケートゾーンケアで期待できること】
・血行促進
・代謝アップ
・冷えの改善
・肩こりや腰痛の改善
・肌や髪のアンチエイジング
・脳の老化防止
・ホルモンバランスを整える
・自律神経の安定
・更年期障害の諸症状の改善
日頃から女性特有の心身の不調が続いているという方は、バスタイムにデリケートゾーンの「洗浄」「マッサージ」「保湿」の3ステップケアも取り入れてみましょう。継続することで長年の悩みが解決したり、身体が軽くなったりといった良い効果があらわれます。できることからコツコツ続け、デリケートゾーンケアから美と健康を手に入れましょう。
監修 薬剤師 中田早苗
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薬剤師/腸活・膣ケアサポート・ファスティング講師
中田 早苗
薬科大学卒業後、約7年間総合病院で病院薬剤師として勤務。その後、相談薬局にて予防医学の観点から薬を使わない健康法について患者指導を行い現在に至る。食事と生活習慣の見直しから得られる健康に興味を持ち、そのひとつとしてファスティングの魅力に感銘を受ける。便秘やアトピー、自律神経の乱れなどの悩みとファスティングに深く結びつきがあることを実感。現在までに100名以上のファスティングサポートを実施。
資格
薬剤師
ウエルネスファーマシスト(認定運動支援薬剤師)
ファスティングマイスター
美腸プランナー
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中田 早苗
・ファスティング講師
経歴
薬科大学卒業後、約7年間総合病院で病院薬剤師として勤務。その後、相談薬局にて予防医学の観点から薬を使わない健康法について患者指導を行い現在に至る。食事と生活習慣の見直しから得られる健康に興味を持ち、そのひとつとしてファスティングの魅力に感銘を受ける。便秘やアトピー、自律神経の乱れなどの悩みとファスティングに深く結びつきがあることを実感。現在までに100名以上のファスティングサポートを実施。
資格
・薬剤師
・ウエルネスファーマシスト
(認定運動支援薬剤師)
・ファスティングマイスター
・美腸プランナー