デリケートゾーンのお悩み相談室
日本は遅れている⁈海外ではデリケートゾーンケアが当たり前の習慣であるその理由
2022.02.15
海外と日本では、デリケートゾーンケアに対する関心度合いがかなり異なります。この記事では、デリケートゾーンケアが習慣化していない日本の事情や、デリケートゾーンケアの方法について紹介していますので、ぜひ参考にしてください。
目次
日本はデリケートゾーンケア後進国
「日本の性教育は世界全体規模で遅れている」といわれています。そして、そのような環境下にあるため、日本人は性に関する意識や知識が乏しく、デリケートゾーンケアに目を向ける機会も少ないと考えられるのです。
また、日本ではデリケートゾーンそのものの話題を口にすること自体をタブー視する傾向が強くあります。仮に、デリケートゾーンケアに興味関心があったとしても、恥ずかしさが先行して人に相談しにくい環境にあります。
たとえば、母親にデリケートゾーンケア方法を尋ねたとしても、そもそも母親がデリケートゾーンケアに対する教育を受けていないため、子供にその方法を伝えられないという事実が存在しています。
しかし、デリケートゾーンは顔や体と同様、もしくはそれ以上にケアが大切な部分です。
日本と海外の大きな違い
海外の中でも、特にフランスはデリケートゾーンケアに対する意識が高く、ケア自体を日常的な習慣として捉えています。そのため、デリケートゾーンケア用品も気軽に購入できる環境が整っています。
また、若い年代だけでなく、高齢女性でもデリケートゾーンケアを続けているといわれていますが、それは「デリケートゾーンケアをすることは当たり前」という考え方が根付いているからです。
なお、フランスをはじめとする海外では、母親が子供に対してデリケートゾーンケアの方法を教えるため、子供はそれを当たり前に受け止め、子供の頃からデリケートゾーンケアに目を向けるようになります。
一方日本はというと、百貨店やドラッグストアなどでデリケートゾーンケア用品を探してみても、そもそも取り扱いがない、もしくは、取扱いがあったとしても、目立たない場所に陳列されているのが現状です。
生理用品は比較的目に付く場所に置かれていますが、デリケートゾーンケア用品となると、まだまだ一般的ではないため、狭い場所に置かれてしまうわけです。
近年のフェムケア市場の盛り上がり
フェムケアとは、女性が抱える健康の課題を解決していく商品やサービスをあらわします。近年では、生理用品だけでなく、妊活用品や妊娠中・産後のケア製品などが数多く誕生しています。
例えば、生理用品の定番アイテムである「紙ナプキン」は当たり前に使用されていますが、フェムケア商品としては「布ナプキン」「月経カップ」などが注目されています。自分に合った製品を使用することで生理中の不快感や肌トラブルの解消が期待されています。
また、更年期女性に対して、以前ではネガティブな表現が使用されていたこともありましたが、現在では、働く女性が増え、更年期を前向きに捉えて積極的に対策したいと考える女性も増えてきました。
このタイミングで、デリケートゾーンケアの大切さについての理解が広がり、ケアを開始する女性が増えてほしいと考えます。
そのためには、デリケートゾーンケアを行うメリットを知る必要があります。
これからケアを始めてみたい方や始めることに迷っている方は、まずメリットについて知ってみてください。
デリケートゾーンケアのメリットとは?
デリケートゾーンケアには以下のメリットがあります。
- やさしく丁寧に洗うことで細かい汚れをしっかり落とせる
- 潤いを保ち乾燥を予防
- オイルケア保湿で下着との過度な摩擦が減り黒ずみの予防
- 清潔に保つことで膣内の悪玉菌増殖を防ぎ嫌なニオイの予防
そもそも女性のデリケートゾーンはやや複雑な構造になっているため、お風呂できれいに洗えたと感じたとしても、実は気づかずに汚れが残っていることがあります。
汚れをきちんと落とさずにいると、それがデリケートゾーンのトラブルの原因となり嫌なニオイやかゆみが発生してしまいます。
また、デリケートゾーンのケアは膣まわりの環境を整えホルモン分泌にも影響するのでPMSやおりものなどの悩み解決にも繋がります。
そしてもうひとつ、年齢を重ねると、尿漏れや頻尿が起こりやすくなるという問題もあります。女性ホルモンの「エストロゲン」には、肌の弾力を保つコラーゲンや水分量を増やす働きがありますが、加齢に伴う女性ホルモンの分泌低下で皮膚のコラーゲンは劣化します。
その結果、膣の萎縮や潤い低下が起こり乾燥を引き起こします。そして、膣の弾力が失われると尿もれや頻尿などのトラブルにも繋がります。
日本でもデリケートゾーンケアを当たり前の習慣に
顔や手足など、衣類から出ている部分のケアは念入りに行うのに、デリケートゾーンケアをしないというのは、落ち着いて考えてみれば少し疑問に感じないでしょうか。
とはいえ、デリケートゾーンには粘膜部分もあり、ナイロンタオルなどでゴシゴシ洗いをすると、皮膚が傷ついたり、炎症が起こったりする可能性が否めません。
デリケートゾーンに合った製品を使う
デリケートゾーンケアには、適した製品を使いましょう。
例えば、デリケートゾーン向けのソープは粘膜部分を傷つけないためにも、刺激の少ない物を選ぶと良いでしょう。そして、膣内の常在菌バランスを崩さないためにも、膣内と同じ環境である”酸性”のソープを使用することをおすすめします。
また、乾燥を防ぎ保湿をしっかり行うためにオイルケアも欠かせません。経皮吸収率の高いデリケートゾーンに使用するものは、天然由来でお肌に優しい成分のものを選ぶことも大切です。
デリケートゾーンケアを習慣化するために
では、デリケートゾーンケアはどれくらいの頻度で行えば良いのでしょうか。
まず膣まわりですが、毛に付着した汗や尿、経血が残っていると、デリケートゾーンのトラブルの原因になることがあります。顔や身体と同じで毎日洗うようにして清潔な状態を保つ必要があります。
問題は膣内部ですが、この部分を洗ってしまうと元々存在している常在菌が取り除かることになり、膣内のバランスが崩れ乾燥したり炎症を起こしたりする原因になります。また、粘膜部分になるので、膣まわりよりも傷つきやすいため膣まわりを中心に行うようにしましょう。
日本では、デリケートゾーンケアの習慣がなく、デリケートゾーンケアにおいて日本は遅れをとっています。
しかし、時代の流れとともに女性の意識も少しずつ変化を見せ始め、最近ではデリケートゾーンケアに関心を持つ女性も増えてきました。日本でも、フェムケア市場が盛り上がりをみせ今後さらに発展していくことが予測されます。フェムケア用品を手に取りデリケートゾーンケアを開始してみませんか。
監修 薬剤師 中田早苗
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薬剤師/腸活・膣ケアサポート・ファスティング講師
中田 早苗
薬科大学卒業後、約7年間総合病院で病院薬剤師として勤務。その後、相談薬局にて予防医学の観点から薬を使わない健康法について患者指導を行い現在に至る。食事と生活習慣の見直しから得られる健康に興味を持ち、そのひとつとしてファスティングの魅力に感銘を受ける。便秘やアトピー、自律神経の乱れなどの悩みとファスティングに深く結びつきがあることを実感。現在までに100名以上のファスティングサポートを実施。
資格
薬剤師
ウエルネスファーマシスト(認定運動支援薬剤師)
ファスティングマイスター
美腸プランナー
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中田 早苗
・ファスティング講師
経歴
薬科大学卒業後、約7年間総合病院で病院薬剤師として勤務。その後、相談薬局にて予防医学の観点から薬を使わない健康法について患者指導を行い現在に至る。食事と生活習慣の見直しから得られる健康に興味を持ち、そのひとつとしてファスティングの魅力に感銘を受ける。便秘やアトピー、自律神経の乱れなどの悩みとファスティングに深く結びつきがあることを実感。現在までに100名以上のファスティングサポートを実施。
資格
・薬剤師
・ウエルネスファーマシスト
(認定運動支援薬剤師)
・ファスティングマイスター
・美腸プランナー