デリケートゾーンのお悩み相談室
【膣トラブルはケア不足が原因】お風呂でデリケートゾーンケア習慣を
2022.02.24
デリケートゾーンケアを行うタイミングはお風呂上りが一番おすすめですが、それには理由があります。こちらの記事では、お風呂上りのタイミングでデリケートゾーンケアを行うことのメリットや、実際のケアの方法について紹介します。
目次
デリケートゾーンのトラブルはケア不足が原
海外ではデリケートゾーンケアは日常的に行われていますが、日本ではその習慣はまだ少ないという現実があります。
デリケートゾーンケアをしていなことで、女性特有の悩みや、思わぬトラブルに見舞われることがあります。たとえば、ニオイや痒み、おりものトラブルなど…。
一方で、デリケートゾーンのケアをしっかりと行っていれば、以下ようなのメリットがあります。
乾燥予防に役立つ
膣内部の粘膜部分から分泌される粘液は、膣の乾燥を防ぎ、潤いを保つ役割があります。しかし、分泌物の量は年齢とともに減少する傾向にあり、これは女性ホルモンの分泌量と比例します。40代を過ぎるとカサつきが気になりはじめ、それによりニオイや痒みなどのトラブルが起きやすくなります。
デリケートゾーンが乾燥することで、下着との摩擦が起きやすくなり黒ずみの原因になります。また、潤い不足で膣内環境が乱れ痒みや膣炎を引き起こすことも考えられます。
特に閉経前後では、ホルモンの影響で粘液の量が急激に低下するので、お肌の乾燥を感じ始めたなら、できるだけ早めにデリケートゾーンケアを開始しましょう。
自浄作用の活性化
膣内部の粘液には常在菌が存在しており、外部から侵入してきた雑菌などの侵入を防ぐ働きを持っています。
この状態は自浄作用と呼ばれ、潤いとともに常在菌がその場に留まっていれば、乾燥などのトラブルも起こりにくいと考えられます。つまり、デリケートゾーンケアを行うことで潤いが保たれると同時に自浄作用が活性化し、免疫力アップも期待できます。
なお、免疫力アップには食事からしっかりと栄養成分を摂ることも大切ですので、デリケートゾーンケアを行うことと、栄養バランスの良い食事も心がけてください。
お風呂のタイミングがおすすめ
デリケートゾーンケアを行うタイミングはお風呂上りがベストですが、それはどのような理由によるものなのでしょうか。
お風呂上りは乾燥しやすい
お風呂から出ると、お肌から湯気が立ち上りますが、これは肌から水分が蒸発していくことを意味しています。しばらくそのままにしていると、お肌の水分はどんどん蒸発して乾燥してしまいます。
これはデリケートゾーンも同様で、お風呂上りに顔や体を化粧水や乳液でしっかり保湿するように、デリケートゾーンも保湿ケアをしないと、肌はどんどん乾燥傾向に陥ってしまいます。
つまり、デリケートゾーンのケアをするなら、水分が完全に蒸発する前、お風呂上りのタイミングがベストだということです。
なお、お風呂上り5分~15分後にかけては、最も水分が蒸発しやすいといわれていますので、できる限り15分後までを目安にケアするようにしてください。
また、デリケートゾーンの皮膚は非常に薄く繊細です。デリケートゾーンのケアをする際は、優しく行うことはもちろん、使用するものはデリケートゾーンに適したアイテムがおすすめです。
筋肉がほぐれてケアしやすい
お風呂で体が温まると、血行が促進され凝り固まっていた筋肉がほぐれます。これはデリケートゾーンも同様で、体を温めることで、膣周辺の筋肉である骨盤底筋が柔軟になります。オイルを使用する場合であれば、お風呂上がりはオイルによる浸透が高まるので、よりデリケートゾーンケアの効果を実感しやすくなります。
具体的なケア方法
どうやってケアをしたらいいかわからない方のために、デリケートゾーンのケア方法について紹介します。ここではデリケートゾーン環境に適したオイルを使用したケア方法について説明します。
デリケートゾーンケアの手順
1.清潔なタオルでデリケートゾーンの水分を拭き取る
2.デリケートゾーンケアに適したオイルを適量指先にとる
3.デリケートゾーンの外側全体に満遍なく馴染ませる
4.くるくると円を描くようにマッサージをする
これが基本的な手順となり比較的簡単に行えます。なお、水分を拭き取る際にはゴシゴシと擦らず、やや水分が残っている状態でオイルを馴染ませることがポイントです。
これ以外の方法としては、週2回の「集中パック」もすすめです。
【集中パックの手順】
1.手を洗い、清潔な状態にする
2.コットンにオイルをたっぷり染み込ませる
3.外陰部に湿布するようにコットンを当てる
4.そのまま5分待ち、コットンを取る
集中パックによる保湿効果で、ふっくらとした肌になります。
また、ケアの際の注意点としては、デリケートゾーンの構造は少々複雑であるため、優しく隅々まで行うことがポイントですが、膣の中まで塗る必要はありません。膣内部は自浄作用が働きますので、膣まわりを中心に行なってください。
デリケートゾーンケアは毎日行ったほうがいい?
デリケートゾーンの皮膚はとても薄く、他の部位よりも繊細であるという特徴があります。それと同時に乾燥もしやすいため、ケアは毎日行うのが理想的です。
とはいえ、生理中の場合は普段通りのケアが難しくなるので、そのようなときには無理に行う必要はありません。
ただ、生理中は膣周りが敏感で炎症を起こしやすいので、お風呂場ではきれいに洗い、清潔な状態をキープするようにしましょう。生理中だけに限りませんが、タオルなどでデリケートゾーンを擦り洗いすると過度な摩擦によって黒ずみの原因になるため、指で丁寧に洗うようにしましょう。
毎日の食事と同じで当たり前の習慣にすることが大切
海外では、デリケートゾーンケアは当たり前に行われていますが、日本ではまだ、デリケートゾーンケアという概念が根付いていません。
そのため、お風呂でなんとなく洗って終わりという方が多いという現状があります。
顔や体の保湿ケアはするのに、デリケートゾーンについては、ケアすることなく放置したままではトラブルが起こるのも無理はありません。デリケートゾーンのケアを習慣化するためには、どのような工夫が必要なのでしょうか。
スキンケアのタイミングに合わせて行う
お風呂から上がるとすぐに、顔には化粧水や乳液、体には保湿クリームといったスキンケアを行う習慣がある人がほとんどだと思います。これらと同じタイミングでデリケートゾーンケアも取り入れることで、自然に習慣化することができます。
さいごに
今回は、お風呂上がりでのデリケートゾーンのケア方法について紹介しました。特別難しい技術が必要なわけではなく、誰でも簡単に行えます。
毎日のお手入れを習慣化することで、あなたが密かに抱えていたデリケートゾーンのトラブルから解放されます。また、先々のデリケートゾーンに関連したトラブル(尿もれや老後の下トラブルなど)を予防することも期待できます。
毎日の食事は、当たり前のように1日3食摂るように、デリケートゾーンのケアも当たり前の習慣として日本でも浸透して欲しいと思います。
監修 薬剤師 中田早苗
-
薬剤師/腸活・膣ケアサポート・ファスティング講師
中田 早苗
薬科大学卒業後、約7年間総合病院で病院薬剤師として勤務。その後、相談薬局にて予防医学の観点から薬を使わない健康法について患者指導を行い現在に至る。食事と生活習慣の見直しから得られる健康に興味を持ち、そのひとつとしてファスティングの魅力に感銘を受ける。便秘やアトピー、自律神経の乱れなどの悩みとファスティングに深く結びつきがあることを実感。現在までに100名以上のファスティングサポートを実施。
資格
薬剤師
ウエルネスファーマシスト(認定運動支援薬剤師)
ファスティングマイスター
美腸プランナー
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中田 早苗
・ファスティング講師
経歴
薬科大学卒業後、約7年間総合病院で病院薬剤師として勤務。その後、相談薬局にて予防医学の観点から薬を使わない健康法について患者指導を行い現在に至る。食事と生活習慣の見直しから得られる健康に興味を持ち、そのひとつとしてファスティングの魅力に感銘を受ける。便秘やアトピー、自律神経の乱れなどの悩みとファスティングに深く結びつきがあることを実感。現在までに100名以上のファスティングサポートを実施。
資格
・薬剤師
・ウエルネスファーマシスト
(認定運動支援薬剤師)
・ファスティングマイスター
・美腸プランナー