デリケートゾーンのお悩み相談室

アロマオイルを使用する上での注意点とポイント『妊娠中やアトピー体質でも大丈夫?』

2022.03.15

アロマオイルを使用する際は、ブレンドされている精油の種類によって、注意しなければならない点がいくつかあります。今回は皮膚の弱い方や皮膚トラブルのある方、妊娠中の方でも楽しめるアロマテラピーの方法を紹介します

アロマを楽しむために

「アロマオイルを試したいけど肌が弱いから難しいかも…」 「妊娠していたらアロマテラピーはできないのかな…」

 

自身の状況や肌質では、アロマオイルは使えないと思っている方は多いのではないでしょうか。いくつか注意点やポイントがありますが、正しく知って活用することで、アロマは誰でも楽しむことができます。

アトピー性皮膚炎などの皮膚疾患がある場合

皮膚疾患がある場合でも、芳香浴などでアロマを楽しむことについては問題ありません。

 

一方で、アロマオイルを直接肌に塗ることは可能かどうか、気になるかと思います。アロマオイルに含まれる精油(エッセンシャルオイル)の原液は刺激が強いため、キャリアオイルで希釈が必要です。皮膚刺激に敏感な方は、特に薄めの濃度で使用することをおすすめします。そして、使用前には必ずパッチテストなどで確認してから使用するようにしてください。

 

【皮膚が敏感な人でも比較的使用可能なオイル】
□ホホバオイル(キャリアオイル)
□ティーツリー(精油)
□カモミールローマン(精油)
□ラベンダー(精油)
※精油は、肌に使用する際は必ず希釈してください。

妊娠中の使用について

妊娠中のアロマの使用については、よく質問をいただきます。女性にとって、妊娠中は赤ちゃんへの影響を考え、特に注意を払う必要があります。

 

アロマオイル(厳密には精油成分のこと)の中には、生理不順の改善や更年期症状の緩和などの女性ホルモンに似た作用を示すものが存在します。そのため、特に妊娠中の方は、一部の精油成分の働きで、子宮収縮や妊娠中毒症を引き起こすリスクについて注意が必要といわれています。

 

あまりに、精油の妊婦に対する禁忌の情報が溢れているので心配する方も多いですが、芳香浴程度で通常のアロマテラピーの使用範囲内(場合によっては低濃度)では、心配する必要はないとも言われています。

 

逆に、自分の好きな香りに囲まれて生活することで脳の下垂体後葉から「オキシトシン」という幸せホルモンが分泌されます。そのことによって自立神経が整い、気分が安定する効果が期待できます。

 

妊娠中の女性には、柑橘系のレモンやグレープフルーツなどの柑橘系の香りがおすすめです。アロマを上手く取り入れることで、妊娠中の辛い症状や、気分の浮き沈みも緩和することができます。

 

妊娠中に注意が必要な精油については、下記を参考にしてください。

 

妊娠中は注意が必要

特に妊娠初期の頃は、ホルモンに影響するものは使用を控える様にしましょう。主に、通経作用や子宮収縮作用、堕胎作用、エストロゲン様作用があるものです。ストレス緩和などの目的でアロマテラピーを取り入れたい場合は、濃度を低め(通常の0.5倍程度)にして芳香浴程度で楽しむことをおすすめします。

 

【妊娠中は控えたほうが良い精油】
・シダーウッド
・ジュニパー
・ジャスミン
・シナモン
・セージ
・フェンネル
・ペパーミント
・ユーカリ
・ラベンダー
・レモングラス
・ローズマリー
など

アロマの光毒性について

精油の中には、肌についた状態で紫外線に当たると、皮膚にダメージを与える「光毒性」という作用を持つものがあります。光毒性のある精油は、日光に当たる前に使用すると、皮膚に日焼けや炎症を起こしてしまうので注意が必要です。

 

【光毒性のある精油】
・ベルガモット
・レモン
・グレープフルーツ
・ライム

 

光毒性のある成分には、ベルガモテンやベルガプテン(5-メトキシソラーレン)、オキシペウセダニンなどがあり、これらを含む精油は、紫外線に反応して皮膚炎を引き起こします。これらの精油をマッサージに使用した後は、数時間程度、強い紫外線(直射日光や日焼けマシーン)は避けるようにして下さい。

 

紫外線に反応するので、夜にマッサージして、そのまま寝る場合は問題ありません。数時間は日光に注意する必要がありますが、使ってはいけない精油というわけではありませんので、これらを理解したうえで、アロママッサージを行なうようにしてください。

 

光毒性を気にせず柑橘系の香りを取り入れたい場合は「レモングラス」を使用するのがおすすめです。レモングラスは柑橘系の香りでありながら、イネ科の植物であるためフロクマリン類を持ちません。

 

また、柑橘系の精油は光毒性の症状を引き起こす可能性が高いとされていますが、同じ柑橘系でも、オレンジやマンダリンにも光毒性はないと考えられています。

 

その他の注意と使用のポイント

アロマテラピーの効果を最大限感じ、楽しむうえでのポイントや注意点について解説します。

 

【精油を直接肌に使用しない】
“精油は直接肌に塗布しない”という点が大前提として挙げられます。精油は原液のままだと刺激が強すぎるため、肌にそのまま塗布することは出来ません。万が一、間違えて塗布してしまった場合はすぐに流水で洗い流しましょう。

 

必ずキャリアオイルなどで希釈してから使用することがポイントです。精油を肌に塗布する目的で使用する場合は約1%未満(精油は数滴)を目安にしてみてください。

 

【子供やお年寄りの使用について】
3歳未満の乳幼児やお年寄りの方のアロマオイルの使用も十分な注意が必要です。皮膚が薄く、刺激に弱い肌質なので、製品の成分や注意事項をよく読んでから使用することが大切です。

 

天然成分やオーガニックなどの肌に優しく安全性が確認されている製品も多く販売されているので、それらを使用するのが良いでしょう。

 

【炎症を起こしている部分へは使用しない】
傷口や腫れなどの炎症がある部分には、刺激となってしまうため避けてください。肌が敏感な方で初めて使用する製品を使う際はパッチテストをして、初回はできるだけ狭い範囲で使用することが大切です。

 

【体の粘膜部分への塗布は避ける】
膣や肛門などの粘膜部分は、自浄作用が働くため、膣内や肛門内部までのケアは必要ありません。粘膜部分は、非常に皮膚が薄く敏感な部分なので傷つけないように注意しましょう。アロマオイルをデリケートゾーンのケアで使用する際は、膣まわりやおまた周辺を中心にケアするようにしてください。

 

【狭い空間での使用は控える】
アロマオイルの滴下量が多い場合や、精油の濃度が濃い場合、体調を崩してしまうことがあります。皮膚からの経皮吸収や鼻からの経鼻吸収で、成分が体内に過剰に吸収され、効果が強く現れてしまうことがあります。狭い空間での使用には注意しましょう。

 

アロマの効果を最大限に楽しむ

今回は、アロマオイルを使用する際のポイントや注意点について解説しました。敏感肌や妊娠中でもアロマテラピーを楽しむ方法は十分にありますので、是非、あなたが使用できるアイテムを探してみてください。

 

アロマテラピーは人々の健康や美容の助けとなるだけでなく、自律神経の調整や精神的なサポート効果も期待できます。

 

良い香りは生活を豊かにします。お気に入りのアロマの楽しみ方で香りに癒されてみてください。

 

監修 薬剤師 中田早苗

デリケートゾーンのお悩み相談室
デリケートゾーンのお悩み相談室
薬剤師/腸活・膣ケアサポート・ファスティング講師

中田 早苗

薬科大学卒業後、約7年間総合病院で病院薬剤師として勤務。その後、相談薬局にて予防医学の観点から薬を使わない健康法について患者指導を行い現在に至る。食事と生活習慣の見直しから得られる健康に興味を持ち、そのひとつとしてファスティングの魅力に感銘を受ける。便秘やアトピー、自律神経の乱れなどの悩みとファスティングに深く結びつきがあることを実感。現在までに100名以上のファスティングサポートを実施。

資格

薬剤師
ウエルネスファーマシスト(認定運動支援薬剤師)
ファスティングマイスター
美腸プランナー

AD

監修

薬剤師 中田早苗

デリケートゾーンのお悩み相談室

デリケートゾーンのお悩み相談室

薬剤師/腸活・膣ケアサポート
・ファスティング講師
中田 早苗

経歴
薬科大学卒業後、約7年間総合病院で病院薬剤師として勤務。その後、相談薬局にて予防医学の観点から薬を使わない健康法について患者指導を行い現在に至る。食事と生活習慣の見直しから得られる健康に興味を持ち、そのひとつとしてファスティングの魅力に感銘を受ける。便秘やアトピー、自律神経の乱れなどの悩みとファスティングに深く結びつきがあることを実感。現在までに100名以上のファスティングサポートを実施。

資格
・薬剤師
・ウエルネスファーマシスト
(認定運動支援薬剤師)
・ファスティングマイスター
・美腸プランナー