デリケートゾーンのお悩み相談室
【妊活のための膣ケア】妊娠しやすい体づくりには「デリケートゾーンケア」が大切な理由
2022.03.18
膣は赤ちゃんが産まれてくるための大切な器官です。デリケートゾーンケア(膣まわりのケア)と妊活は密接に関係していることをご存じですか?妊活のためには、食生活や生活習慣の見直しと同時に、デリケートゾーンのケアも大切です。妊娠しやすいカラダづくりにはなぜデリケートゾーンケアが必要なのか、その理由について紹介します。
目次
妊娠しやすいカラダづくり
妊娠するためには、カラダの土台づくりが大切とよく言われますが、真っ先にどんなことをイメージしますか?
栄養バランスの取れた食生活や規則正しい生活習慣が大切ということは、大半の方が知っていると思います。昔以上に、ファストフードやインスタント食品などが手に入りやすくなり、過剰な添加物の摂取や栄養不足が問題になっています。これは、自律神経やホルモンバランスの乱れが生じ、不妊に悩む女性が増加した要因とも考えられます。
例えば、発酵食品などの腸内環境を意識した食生活は、代謝を促進させ、基礎体温の上昇や慢性的な冷え・便秘などのトラブル解消が期待できます。これは、妊娠力を上げることにも繋がり食生活を意識する理由の一つです。
この記事を目にしている方は、すでにバランスの取れた食生活については意識しているかもしれません。
今回伝えたいのは、意外にも、日本人女性が見落としがちな「入り口のケア」であるデリケートゾーンのケアについてです。今でこそ、ドラッグストアやコスメショップでもデリケートゾーン向けのソープやオイルなどのフェムケアアイテムを見かけるようになりましたが、海外と比べて種類も少なく商品に対する知識や情報を得ることが難しいのが現状です。
ではなぜ、妊活のためにデリケートゾーンのケアが必要なのでしょうか?
デリケートゾーンケアは妊娠力を高める
妊娠力を高めるためには膣まわりのケアと膣内環境を整えることが重要になってきます。そのポイントについて紹介します。
膣の粘液力を高める
膣は本来、菌が繁殖してもバリア機能が働いて、粘液を分泌することで悪い菌から守ることができます。しかし、粘液の分泌量が減ると、そのバリア機能が働かず、カンジダ膣炎や感染症を引き起こす原因となってしまいます。
女性ホルモンは膣の粘膜を丈夫にする働きがあるため粘液をしっかり分泌させるためにもホルモンバランスを整えることは大切です。そして、ホルモンバランスを整えることで妊娠の確率を高め、同時に免疫力も高められます。
骨盤底筋を鍛える
骨盤底筋トレーニングは、腰痛の改善や生理痛症状の緩和、便秘の改善、妊娠しやすい体づくりに効果があると言われています。生理痛が軽くなり、腸内のぜん動運動を促して便秘の改善も期待できます。そして、ホルモンバランスも整うので、生理不順や不妊症を改善し妊娠しやすい体質に近づきます。
また、パートナーとの性行為において、膣の引き締めも実は大切な要素となります。ゆるみがなく、締まりの良い膣づくりを目指すことで、性行為の際に自分とパートナーの感度が上がり、妊娠しやすい状態になります。締まりがよく、柔らかくて伸縮性のある膣づくりのためには「骨盤底筋トレーニング」は効果的です。
子宮や膣内に存在する菌について
腸内細菌と同じで、子宮内や膣内にもさまざまな菌が存在します。最近のアメリカでの研究報告では、子宮内、膣内にラクトバチルス菌が存在することが確認されました。
ラクトバチルス菌は、乳酸菌の一種でいわゆる善玉菌です。性感染症や細菌性膣炎などの原因となる細菌を繁殖させないように働いてくれる菌です。
また、このラクトバチルス菌は、着床時の免疫にも影響する可能性があることがわかっています。ラクトバチルス菌が豊富な子宮内環境ほど、妊娠しやすく妊娠を継続しやすいという結果が報告されています。
もし、疲れたり、免疫力の低下、ストレスなどで子宮内や膣内のラクトバチルス菌が少なくなってしまうと、悪玉菌が優位な環境となり、おりものの異常や膣炎の原因となります。
この様な環境が続くと子宮内膜での免疫が活性化され、受精卵を異物として攻撃してしまうため妊娠の確率が低下する可能性があります。そして、子宮内の善玉菌が減った状態では流産率も上昇することが最近の研究結果で報告されています。なので、子宮内や膣内環境整えることも、妊娠力を高めるためにとても重要なことなのです。
おすすめの過ごし方
妊娠力を高めるためには、膣まわりや子宮内・膣内環境を整えることが大切ということをお伝えしました。では、具体的にどのようにして整えるのでしょうか。
洗浄と保湿
女性の膣まわりは、構造上、菌や垢がとてもたまりやすい場所です。汚れを落とすために入浴時にデリケートゾーンをボディタオルなどでゴシゴシと強く洗っていませんか。これは摩擦による過度な刺激となり、くすみを引き起こしたり、逆に乾燥を招く原因となるため厳禁です。優しく泡で包み込むように洗う方法をおすすめします。
洗うことに加えて大切なのが保湿です。乾燥から膣を守り十分な粘液で保たれるよう保湿効果の高いオイルをケアに取り入れることが大切です。デリケートゾーンの保湿ケアについては、膣まわりに円を描くように軽くマッサージするだけで十分です。
食事と同じで、毎日のケア習慣が大切なので、お気に入りの香りや気分を高めてくれるエッセンスのあるものを選択すると自分の体と向き合う贅沢な時間になります。
このように、デリケートゾーンの洗浄と保湿を行うことも、赤ちゃんが通る「入口のケア」として妊娠力を上げるためには重要です。デリケートゾーンケアは膣が本来の免疫力を発揮するためにも、とても大切なことで、妊娠しやすいカラダに必要な土台づくりとなります。
骨盤底筋トレーニング
骨盤底筋トレーニングは、椅子を使った簡単な方法が紹介されているため、自宅でテレビを見ながら行うといった感じで「ながら体操」に取り入れてみてください。
<トレーニング方法> 1. 背筋を伸ばして椅子に座る 2. 息を吐きながら骨盤を引き締める(膣を引き上げるイメージ) ※5〜10秒程度息を止める 3. 息を吸いながら骨盤底筋を緩める
これを1セット10回程度繰り返す1日4〜6セット行う。
冷え対策
「冷え」は女性の大敵と言われるほど多くの女性の悩みでもあります。子宮の冷えは妊活の妨げになるので体を外から温める「入浴」も妊娠力を上げる過ごし方の1つです。
短時間で済ませるシャワー浴ではなく15分以上は39度くらいの湯船に浸かって体を温めましょう。長時間の入浴が苦手な場合は、アロマオイルを湯船に垂らすアロマバスなどで入浴を癒しの時間にしてみてはどうでしょうか。気持ちのリラックス効果も期待できます。
体の深部体温をあげることで、睡眠の質が上がりアロマ効果によって自律神経のバランスも整いやすくなります。
さいごに
妊娠力を上げるためには、食生活や生活習慣の見直しはもちろん大切で、これは妊娠しやすい体づくりの基本です。
今回は、赤ちゃんが産まれてくるための大事な器官である、膣まわりや膣内の環境を整えることが妊活にも大きく影響するということについて解説しました。意外と見落としがちなデリケートゾーンケアについても、意識を向けることで妊娠の確率を上げることができますのでぜひ参考にしてみてください。
監修 薬剤師 中田早苗
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薬剤師/腸活・膣ケアサポート・ファスティング講師
中田 早苗
薬科大学卒業後、約7年間総合病院で病院薬剤師として勤務。その後、相談薬局にて予防医学の観点から薬を使わない健康法について患者指導を行い現在に至る。食事と生活習慣の見直しから得られる健康に興味を持ち、そのひとつとしてファスティングの魅力に感銘を受ける。便秘やアトピー、自律神経の乱れなどの悩みとファスティングに深く結びつきがあることを実感。現在までに100名以上のファスティングサポートを実施。
資格
薬剤師
ウエルネスファーマシスト(認定運動支援薬剤師)
ファスティングマイスター
美腸プランナー
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薬剤師/腸活・膣ケアサポート
中田 早苗
・ファスティング講師
経歴
薬科大学卒業後、約7年間総合病院で病院薬剤師として勤務。その後、相談薬局にて予防医学の観点から薬を使わない健康法について患者指導を行い現在に至る。食事と生活習慣の見直しから得られる健康に興味を持ち、そのひとつとしてファスティングの魅力に感銘を受ける。便秘やアトピー、自律神経の乱れなどの悩みとファスティングに深く結びつきがあることを実感。現在までに100名以上のファスティングサポートを実施。
資格
・薬剤師
・ウエルネスファーマシスト
(認定運動支援薬剤師)
・ファスティングマイスター
・美腸プランナー