デリケートゾーンのお悩み相談室
【腸活と膣活は同じ⁈】腸内と膣内のフローラを整える効果的な方法
2022.03.31
「腸活」という言葉について、最近では耳にする機会が増えました。実は、腸活は「膣活(ちつかつ)」と非常に似ている点があります。どちらも女性の健康に役立ち、腸内フローラを整えることは、膣内フローラ(膣内環境)を整えることにも繋がります。今回の記事では、腸活と膣活の関係や効果、膣活の方法について紹介します。
目次
腸活と膣活は共通点が多い⁈
腸と膣では、場所も違えば働きも違います。しかし、意外にも似ている部分も多くあり、腸内環境と膣内環境がどちらも“フローラ”と例えられる理由について、詳しく解説していきます。
腸活と膣活はいわば『姉妹関係』にあります。そう聞いても、ピンとくる方は少ないと思います。それでは、腸活と膣活が姉妹関係にあるとはとはどういうことか解説していきます。
腸活(ちょうかつ)とは
腸内フローラという言葉は、すでに多くの方が耳にしたことがあるワードではないでしょうか。
腸内フローラとは、腸内細菌がバランスよく存在している様子を意味していて、顕微鏡で確認すると、まるでお花畑のように見えることから腸内フローラと呼ばれるようになりました。
その腸内フローラを整えるためには、善玉菌が必要で、代表的な善玉菌が“乳酸菌“です。健康のためには、腸内にさまざまな細菌が棲みついていることが大切で、その上で善玉菌が優位な環境にあることが重要です。善玉菌は、悪玉菌の侵入や増殖を防いだり、腸の運動を促すことによって、お腹の調子を整えます。
つまり、腸内フローラを整えたいなら、乳酸菌を積極的に摂ることが大切ということです。そして、このように腸内環境を整える対策を「腸活」といいます。
膣活(ちつかつ)とは
一方、膣内にも善玉菌と悪玉菌が存在していて、腸内フローラのような環境をつくり出し、膣内を善玉菌が優位な環境に整えることを「膣活」といい、より健康的な膣内の状態は「膣内フローラ」と表現されることがあります。ちなみに、膣とつながる子宮内の環境については、同様に「子宮内フローラ」と呼ばれることもあります。
腸内細菌同様、膣内にも常在菌が存在
膣内にも腸内と同様に善玉菌と悪玉菌が存在し、これらはともに常在菌と呼ばれています。
また、善玉菌でも悪玉菌でもない日和見菌も存在していますが、日和見菌は善玉菌と悪玉菌のいずれか優位になっている方の味方につくという性質を持っています。
特に膣内は、「デーデルライン桿菌」という乳酸菌が、膣内を酸性の状態にして、他の微生物が侵入したり増殖したりするのを防ぐ役割があります。生活の乱れやストレスなどによってホルモンバランスが乱れることで、このデーデルライン桿菌の活動が低下し、外部から侵入してくる細菌などを排除する自浄作用も低下してしまいます。
この自浄作用は、デーデルライン桿菌が産生する乳酸菌が正常に働いている証でもあります。なお、膣内環境が乱れると次の症状が現れやすくなりますので、まずはセルフチェックで膣内の状態を確認してみましょう。
- おりものの量が急に増えた
- おりものの色がグレーっぽい、色がいつもと違う
- 水っぽいおりものが出る
- おりものから魚が腐ったような臭いがする
膣内環境が乱れると、おりものの状態に変化がみられるため、平常時と見分ける目安となります。上記のいずれかに心当たりがある方は膣内環境が乱れている可能性があります。
“膣内”フローラを整える方法について
腸内フローラを整えるためには、乳酸菌や善玉菌のエサとなる食物繊維を含む食品を摂る方法や、乳酸菌をサプリメントで補う方法などが挙げられます。
では“膣内フローラ”を整える場合はどのようにすればいいのでしょうか。いくつか例を挙げて紹介します。
ストレスの軽減
ストレスを感じると、それと同時に体の不調を感じることがありませんか?ストレスを感じると自律神経のバランスが乱れ、めまいや肩こり、便秘など、体のあらゆる場所に不調を来しやすくなります。
ストレスを感じ続けると免疫力も低下し、腸内や膣内の善玉菌が減少してしまいます。ストレスをゼロになくすことは難しいかもしれませんが、少しでもストレスを減らす工夫をしてみてください。
また、知らず知らずのうちに陥る可能性があるのが、仕事や家事労働などによる過労です。疲れが長期化すると、免疫力の低下から膣内環境が悪化する可能性があるためおりものの異常がみられやすくなります。疲れが溜まっている可能性がある場合には、とにかく休息をとり、体を休めることも大切です。
乳酸菌を摂る
腸活と同様に、乳酸菌を食事やサプリメントなどから摂ることは、膣内の善玉菌のサポート対策として役に立ちます。特にラクトフェリンという乳酸菌は、良好な膣内や子宮内の環境づくりに役立つといわれています。
膣まわりのケアを行う
膣まわりのケアを行うことも、膣内環境を整えるうえでは大切です。
膣や膣まわりのデリケートゾーンは、毎日お風呂で洗っていても生理時の経血や排泄物などの汚れが残ってしまう可能性があります。それは、デリケートゾーンを正しく洗えていない場合やそもそもデリケートゾーン自体が複雑な構造をしていることが理由として挙げられます。
とはいえ、デリケートゾーンの皮膚はとても薄く繊細なため、タオルやスポンジでのゴシゴシ洗いは禁物です。指の腹で撫でるように優しく洗うこようにしてください。
また、ボディ用の石けんやボディソープでは洗浄力が強いものが多く存在するので、デリケートゾーンの皮膚に必要以上に刺激を与える可能性があります。顔には洗顔料を使用するように、デリケートゾーンにも安心して使用できる肌に優しい成分でつくられたソープや石鹸の使用をおすすめします。
そしてもうひとつ、膣まわりは非常に乾燥しやすいため膣まわりを保湿ケアすることも大切です。膣内の自浄作用がしっかり働くためにも、膣まわりを最適な環境にすることが重要となります。
膣内フローラを整えることは健康的な生活に繋がる
膣内フローラを整えることは、おりものの悩みやニオイ、痒みなどのトラブルの改善が期待できます。そして、乳酸菌をはじめとした善玉菌を意識した生活は、腸活と同じで膣内フローラを整えることに繋がり今以上に健康的な生活を送ることができるようになります。
血流アップで冷え性の緩和
膣内フローラを整える対策として行う膣まわりのオイルマッサージは、血行促進や周辺の筋肉を柔らかくほぐすことにも役立ちます。下半身の冷えなどの不調がある場合、膣活をきちんと行っておけば、そのようなトラブルも解消されます。
保湿力の回復で乾燥知らずに
膣内部の粘膜部分からは粘液が分泌され、保湿効果はもちろん外部からの雑菌の侵入を防ぐ役割があります。しかし、粘液の分泌量は、年齢を重ねるごとに減少し、乾燥の原因になります。膣活を行うことで膣内環境が整えば、乾燥の悩みからも解放されることが期待できます。その結果、気になるニオイやカサつきなどのトラブル軽減に繋がります。
さいごに
腸活は食事の意識をはじめ体の内側からのケアが中心となりますが、膣活では内側と外側からのケアが必要になります。
これは、腸活と膣活の大きな違いです。ただ、善玉菌を味方につける点は共通する部分ですので、腸活を意識した生活は膣内環境を整えることにも繋がります。
このように膣内フローラを整えることには、メリットがたくさんありますので、ぜひ今日からでも開始して、健康的な生活を送りましょう。
監修 薬剤師 中田早苗
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薬剤師/腸活・膣ケアサポート・ファスティング講師
中田 早苗
薬科大学卒業後、約7年間総合病院で病院薬剤師として勤務。その後、相談薬局にて予防医学の観点から薬を使わない健康法について患者指導を行い現在に至る。食事と生活習慣の見直しから得られる健康に興味を持ち、そのひとつとしてファスティングの魅力に感銘を受ける。便秘やアトピー、自律神経の乱れなどの悩みとファスティングに深く結びつきがあることを実感。現在までに100名以上のファスティングサポートを実施。
資格
薬剤師
ウエルネスファーマシスト(認定運動支援薬剤師)
ファスティングマイスター
美腸プランナー
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薬剤師/腸活・膣ケアサポート
中田 早苗
・ファスティング講師
経歴
薬科大学卒業後、約7年間総合病院で病院薬剤師として勤務。その後、相談薬局にて予防医学の観点から薬を使わない健康法について患者指導を行い現在に至る。食事と生活習慣の見直しから得られる健康に興味を持ち、そのひとつとしてファスティングの魅力に感銘を受ける。便秘やアトピー、自律神経の乱れなどの悩みとファスティングに深く結びつきがあることを実感。現在までに100名以上のファスティングサポートを実施。
資格
・薬剤師
・ウエルネスファーマシスト
(認定運動支援薬剤師)
・ファスティングマイスター
・美腸プランナー