デリケートゾーンのお悩み相談室
デリケートゾーンの放置は危険『ケア不足は体の不調やトラブルの原因かもしれません』
2022.04.12
海外では当たり前に行われているデリケートゾーンケアは、日本でも少しずつ広がりをみせ始めています。デリケートゾーンのケアをすることで、かゆみやニオイ、乾燥などの悩みを解消することができます。その一方で、デリケートゾーンのケアをしないことで生じるデメリットやトラブル、介護への影響などについて今回は紹介します。
目次
デリケートゾーンのお悩み事情
デリケートゾーンのトラブルで悩んでいても、なかなか人には相談できません。特に日本においては、デリケートゾーンの話題をタブー視する傾向があるため、ますます相談しにくい環境がつくり出されてしまっています。
また、ある調査によると、デリケートゾーンのトラブルで悩んでいても、そのうちの実に8割以上の方が何もせずそのまま放置しているというデータがあります。
それはどのような理由によるものなのでしょうか。
必要だと感じでいるが何をしたらいいかわからない
デリケートゾーンケアをしたいとは思っているものの、その方法を知らずに放置しているパターンです。デリケートゾーンケアの方法は難しいものではありませんが、情報が少ないこともあり、なかなか実践に踏み切れない方が多く存在しているようです。
自分の悩みに合ったケア方法がわからない
ニオイやかゆみ、おりものなど、デリケートゾーンの悩みは人それぞれですデリケートゾーンに悩みを抱えていても、その悩みには、どのようなケアが適しているのかわからないパターンです。
デリケートゾーンケアに必要性を感じていない
実は、デリケートゾーンケアをしていない方のうち、約半数がこのパターンです。デリケートゾーンの悩みに気づいていても、「無関心」「そのうち治るだろう」などの軽い気持ちでそのまま放置している場合と、悩みがあっても自覚がない場合の混在パターンです。デリケートゾーンが悲鳴を上げているのに、その悩みにすら気づいていない場合、トラブルが進行してから症状を自覚することが多くあります。
デリケートゾーンを何もせずに放置していると、あらゆるデメリットが生じるといわれています。
ケアをしないことで生じるデメリット
どの年代の方でもデリケートゾーンのケアを行うことは大切です。下記は、デリケートゾーンを放置することで生じるトラブルの一部です。
- ・ニオイがきつくなる
- ・かゆみが生じる
- ・おりものの状態が悪化する
- ・皮膚のくすみや黒ずみ
- ・下着のムレによるかぶれ
- ・乾燥
- ・洗う際にしみる
- ・痛み
これらの悩みを放置していることが、思ってもみなかったトラブルに発展する引き金となることもあります。なので、今まで放置していたデリケートゾーンのケアを通してデメリットを取り除くことが重要だということです。
放置することで生じる健康への影響
デリケートゾーンケアをしないまま放置していると、数々のデメリットが生じます。そして、そのデメリットを取り除く対策をせずに見て見ぬふりをしていると、トラブルが発展し健康問題へ影響する可能性も考えられます。デリケートゾーンの放置は、下記の様なリスクと隣り合わせです。
カンジダ膣炎
カンジダ膣炎の原因菌であるカンジダ菌は、健康な女性の膣内に存在する常在菌で、デリケートゾーンが良好な状態ならカンジダ菌が増殖することがないため、カンジダ膣炎が起こることはありません。
しかし、膣内の環境悪化やストレス、ホルモンバランスの乱れなどが重なると、カンジダ膣炎特有の症状である外陰部のかゆみ、おりものの変化、膣内のヒリヒリ感、排尿時の痛み、性交痛などが現れやすくなります。
炎症・かゆみ
膣の内部ではなく、外部に炎症やかゆみが現れている場合には、下着によるムレで雑菌が繁殖し、それによって症状が引き起こされている可能性があります。
また、膣内の潤いが不足していると、乾燥を引き起こし下着や洗浄時の摩擦刺激で炎症が起こりやすくなります。それが原因でかゆみが発生することもあります。
嫌なニオイ・おりものトラブル
膣内にはもともと自浄作用という機能が備わっていますが、ケア不足で自浄作用が低下すると、膣内やおりもののニオイがきつく変化することがあります。
自浄作用の低下は、主に潤い不足による乾燥が原因のため、乾燥を防ぐためにもケアを通して、膣内の潤いを持たせることが大切です。
くすみ・黒ずみ
下着による擦れや締め付けでデリケートゾーンが必要以上に摩擦刺激を受けると、その部分の皮膚がくすんだり黒ずみができたりすることがあります。
尿もれ・老後の下トラブル
皮膚弾力が低下すると、デリケートゾーンの皮膚がたるむだけでなく、尿もれの原因にもなります。そして、この状態になると、将来誰しも受ける可能性がある介護にも影響が出てしまうことが考えられます。
健康や将来の介護に影響
高齢化社会が進む中、介護を必要とする高齢者が増えています。これは他人ごとではなく、私たちも将来的に介護を受ける可能性があるため、実際に介護を受けるようになるまでの期間中に、デリケートゾーンの状態をできるだけ良好な状態にしておく必要があります。
それは、介護には食事や身の回りの世話だけでなく、排せつの世話も含まれているためです。デリケートゾーンの環境が悪化している状態で介護を迎えると、それに関連するトラブルに見舞われるリスクが高まります。
尿もれによるおむつトラブル
皮膚弾力が低下した状態で長時間おむつを使用していると、おむつの内部は汗でムレてしまい湿度が高くなり、雑菌の温床になることがあります。
これは尿もれの頻度が高いことで起こるトラブルですが、皮膚弾力を高めておくことで尿もれ頻度が少なくなれば、雑菌の繁殖を最小限に抑えることができます。
乾燥による痛み、ヒリヒリ感
外陰部が乾燥しているところへおむつを使用すると、おむつの擦れで痛みや湿疹となることがあります。つまり、おむつを取り替えるたびにストレスを感じてしまいます。
このようなストレスは、認知機能にも悪影響を及ぼすと考えられているため、介護を受ける前にデリケートゾーンを良好な状態に整えておくことが、認知症の予防にも役立つ可能性が考えられます。
認知症は、薬物治療や生活習慣、周囲の環境によって発症や進行を遅らせることができる疾患です。ストレスを減らすことで、少しでも認知症の進行を遅らせることができれば、介護を行う側も受ける側も心身の負担軽減になることが期待できます。
トラブルを起こさないためにも放置は厳禁
今回は、デリケートゾーンのケアをしないことで生じるデメリットやトラブルについて紹介しました。
ニオイやかゆみ、おりものなどのトラブルはもちろん避けたいですが、将来介護を受ける段階になった時に、おむつ関連のかぶれや湿疹などの肌トラブルは出来るだけ避けたいものです。
そうならないためにも、早いうちからデリケートゾーンのケアを意識してデリケートゾーン全体のコンディションを整えておくことが何よりも大切です。
デリケートゾーンケアには適した製品を使いましょう
デリケートゾーンケアは今すぐにでも開始する必要がありますが、そのためにはデリケートゾーンに適した製品を使うことが重要でもあります。
一般的な石けんやボディソープでは、刺激が強すぎるため、皮膚が薄く敏感なデリケートゾーンには、肌負担が大きくおすすめできません。最近では、デリケートゾーンの環境に適した製品が数多く展開されていますので、そのような製品でケアを行うようにしてください。
スキンケアと同様に、デリケートゾーンのケアも習慣化することで、様々なデメリットが回避できますので、ぜひ参考にしてみてください。
監修 薬剤師 中田早苗
-
薬剤師/腸活・膣ケアサポート・ファスティング講師
中田 早苗
薬科大学卒業後、約7年間総合病院で病院薬剤師として勤務。その後、相談薬局にて予防医学の観点から薬を使わない健康法について患者指導を行い現在に至る。食事と生活習慣の見直しから得られる健康に興味を持ち、そのひとつとしてファスティングの魅力に感銘を受ける。便秘やアトピー、自律神経の乱れなどの悩みとファスティングに深く結びつきがあることを実感。現在までに100名以上のファスティングサポートを実施。
資格
薬剤師
ウエルネスファーマシスト(認定運動支援薬剤師)
ファスティングマイスター
美腸プランナー
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薬剤師/腸活・膣ケアサポート
中田 早苗
・ファスティング講師
経歴
薬科大学卒業後、約7年間総合病院で病院薬剤師として勤務。その後、相談薬局にて予防医学の観点から薬を使わない健康法について患者指導を行い現在に至る。食事と生活習慣の見直しから得られる健康に興味を持ち、そのひとつとしてファスティングの魅力に感銘を受ける。便秘やアトピー、自律神経の乱れなどの悩みとファスティングに深く結びつきがあることを実感。現在までに100名以上のファスティングサポートを実施。
資格
・薬剤師
・ウエルネスファーマシスト
(認定運動支援薬剤師)
・ファスティングマイスター
・美腸プランナー