デリケートゾーンのお悩み相談室

【おすすめ】お肌に使う石鹸や液体ソープの選び方を紹介

2022.04.15

「弱酸性」「無添加」タイプの石鹸や液体・泡ソープをよく見かけることはありませんか。それらが、なんとなく体に良さそうなのは想像がつくけれど、実際どのように体に良いのかについては、知らない方も多いのではないかと思います。今回は固形石鹸や液体・泡ソープ、合成洗剤の成分の違いや特徴について紹介します。

市販の“無添加”石鹸や液体・泡ソープの闇

日用品である石鹸やボディソープを、ドラックストアやホームセンターで購入する方は多いと思います。せっかく選ぶなら肌に優しそうな「無添加」と表記されている商品が良いのではないか、と思うかもしれません。しかし、“無添加=体に優しい”ということが必ずしもそうではない理由について解説します。

 

無添加とは、化学物質が含まれていないものを指します。しかし、日本には「無添加」という言葉についての基準が明確に定義されている法律がないため、防腐剤フリーなどの1部のみ無添加であって着色料や香料などが含まれていたとしても、“無添加”の部分だけ強調して無添加製品として出回っている場合があります。

   

石けんと合成洗剤の違い

次に、石鹸と合成洗剤の違いについてです。

まず、「石けん」と定義されるものの特徴について説明します。 化学物質が含まれているかそうでないかは、成分を見れば一目で判断することができます。そして混じりけのない石けんは下記のように表記されています。

 

【石けんの成分】 ・石けん素地 ・カリ石ケン素地 ※純石けん分と書かれている場合もあります。

 

これ以外に香料、着色料、メチルパラベン、エタノール、ラウリル硫酸Na(合成界面活性剤)などが含まれていれば、それらは全て「合成洗剤」と呼ばれる商品です。

 

この添加物のなかでも、特に合成界面活性剤は、敏感肌の人や皮膚疾患(アトピー性皮膚炎など)がある人は肌トラブルを起こしやすい化学物質とされています。

 

ラウリル硫酸ナトリウムは、強力な洗浄力と引き換えに、皮膚の油分も奪ってしまい、肌の保湿力を低下させてしまうという側面を持ちます。実際に、ラウリル硫酸Naは、1994年に行われたオレゴン・ヘルスサイエンス・ユニバーシティの調査で敏感肌、または疾患のある方に炎症促進がみられたことが報告されています。

 

合成界面活性剤は、肌に対する「毒性」だけではなく、その「浸透性」も危険視されています。浸透性とは、活性剤自体が人間の体内に入り込んでしまう性質のことですが、本来、人間の肌にはバリア機能が備わっていて活性剤がそのバリアを通り抜け浸透してしまうことがあります。石油系の界面活性剤が浸透してしまった場合、肝臓で分解することができず、そのまま体内に残留してしまう場合もあるため注意が必要です。

 


 

石鹸の特徴

次に、石鹸の特徴について解説します。

【メリット】 地球環境にやさしい ・合成洗剤より分解されるスピードが速いため環境に優しいものが多い 成分が身体に残りにくい ・すすぎ残しが少なくしっかり洗い落とせる

 

【デメリット】 泡立ちづらく洗浄力が安定しない ・泡立ちが少ないので少し扱いづらい 種類が少ない ・ボディソープに比べ商品の種類は少ない 刺激が強い ・石鹸は「アルカリ性」のものが多く、目に入ると滲みやすいため刺激は強め

 

石鹸は、環境にやさしく成分が身体に残りにくい特徴があります。石鹸のデメリットは、種類を選べないという点と、洗浄力が弱い点にあります。石けんは合成洗剤と比べすぐに泡立つわけではないので少し「使いづらい」といった印象を持つ人もいます。

 

合成洗剤の特徴

一方で、合成洗剤のメリットとデメリットについてです。

 

【メリット】 種類が豊富 ・様々な香りやメーカーのものがあり石鹸よりも種類が豊富 ・泡立ちが良く使いやすい 安く手に入る ・価格も安く様々な価格帯のものがある

 

【デメリット】 成分が身体に残りやすい ・しっかりすすぎ洗いおとさないと滑りが残ってしまうことがある 地球環境に良くない ・合成洗剤に含まれる界面活性剤の種類にもよりますが、分解されにくいものが多い

 

合成洗剤は、しっかりとした洗浄力があり、種類も豊富で使いやすいというメリットがあります。しかし一方では、石油系の界面活性剤が人体に影響を及ぼす可能性や、自然に分解されないという理由から地球環境に良くないといったデメリットがあります。

 

石鹸にも合成洗剤にもそれぞれメリット・デメリットがあるので、季節や部位、肌質によって使い分けることをおすすめします。

 

“弱酸性”はなぜ肌に良いのか

市販のソープや石けんのなかで「弱酸性」と表記されているものをよく見かけます。この理由として、人間の皮膚がpH4.5~6.0の弱酸性環境で保たれているためです。

 

Phとは酸性とアルカリ性を表す尺度のことを言いますが、pHが7.0を「中性」として、それよりも低い場合「酸性」、高い場合を「アルカリ性」といいます。

 

酸性環境は殺菌作用が強い状態です。例えば、胃酸は、食べ物の消化や細菌やウイルスによってお腹を壊さないようpH1~2の強い酸性環境に保たれています。

 

このように、体でも、部位ごとに最適な環境があり、肌は“弱酸性環境“が最適とされています。なぜなら、肌を完全に酸性にしてしまうと、肌に必要な常在菌まで殺菌してしまいます。そして、肌の水分バランスを整えるためにも弱酸性環境がベストとされています。肌が弱酸性状態に保たれていると、肌のバリア機能が働きやすく、肌を健やかな状態に維持することができます。

   

良いソープを見分けるポイント

では、お肌に優しく、しっかりと汚れを落とすためにはどのような石鹸、ソープを選べばいのでしょうか。まず、第一にパッケージの裏面の成分を確認してみてください。

 

例えば、石鹸の原料は天然油脂ですが、それぞれの油脂の組成によっても洗浄力は異なります。ヤシ油(ココナッツオイル)の組成の中には、ラウリン酸、パルミチン酸、オレイン酸などの脂肪酸が含まれます。その中でも、ラウリン酸は肌に刺激が強く洗浄力はそれほど高くないという特徴があります。一方、パルミチン酸やオレイン酸には低刺激で洗浄力も高いという特徴があります。

 

これらの脂肪酸の種類を確認するだけでも、その製品の特徴を見分けることができます。

 

そして、最近では、液体や泡タイプのソープでも無添加や天然成分のものを見かけるようになりました。より使いやすく種類の豊富な液体・泡タイプで、肌に優しいものが選べるのであれば嬉しいですね。

   

デリケートな場所にはより優しいものを

肌のp Hは4.5〜6.0の弱酸性環境ですが、女性のデリケートゾーン(膣)のpHは肌よりも、より酸性環境に保たれています。最近では、コスメショップなどでデリケートゾーン向けのボディソープやケア用品もよく見かけるようになりました。ここでも「無添加」や「弱酸性」、「天然成分」などの特徴のものが多いですが、デリケートな部分だからこそ、質の良いものを使用することをおすすめします。

 

女性のデリケートゾーンは、肌よりもやや酸性に傾きます。だからこそ、アルカリ性の石けんやソープはあまりおすすめできません。デリケートゾーンにはアミノ酸系の保湿力の高いソープを選ぶことで、洗浄と同時にかゆみやニオイ、乾燥もケアすることができます。

 

完全無添加か合成洗剤かは、使用する部位や個人の好みによっても異なります。

 

「顔には洗顔料、体にはボディソープ」と使い分けるように、ぜひケアする場所によっても、メリットやデメリットを加味して、石鹸やソープを使い分けてみてください。

   

監修 薬剤師 中田早苗

デリケートゾーンのお悩み相談室
デリケートゾーンのお悩み相談室
薬剤師/腸活・膣ケアサポート・ファスティング講師

中田 早苗

薬科大学卒業後、約7年間総合病院で病院薬剤師として勤務。その後、相談薬局にて予防医学の観点から薬を使わない健康法について患者指導を行い現在に至る。食事と生活習慣の見直しから得られる健康に興味を持ち、そのひとつとしてファスティングの魅力に感銘を受ける。便秘やアトピー、自律神経の乱れなどの悩みとファスティングに深く結びつきがあることを実感。現在までに100名以上のファスティングサポートを実施。

資格

薬剤師
ウエルネスファーマシスト(認定運動支援薬剤師)
ファスティングマイスター
美腸プランナー

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監修

薬剤師 中田早苗

デリケートゾーンのお悩み相談室

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薬剤師/腸活・膣ケアサポート
・ファスティング講師
中田 早苗

経歴
薬科大学卒業後、約7年間総合病院で病院薬剤師として勤務。その後、相談薬局にて予防医学の観点から薬を使わない健康法について患者指導を行い現在に至る。食事と生活習慣の見直しから得られる健康に興味を持ち、そのひとつとしてファスティングの魅力に感銘を受ける。便秘やアトピー、自律神経の乱れなどの悩みとファスティングに深く結びつきがあることを実感。現在までに100名以上のファスティングサポートを実施。

資格
・薬剤師
・ウエルネスファーマシスト
(認定運動支援薬剤師)
・ファスティングマイスター
・美腸プランナー