デリケートゾーンのお悩み相談室
【P M Sの悩み】この不調をどうにかしたい!と悩む女性へ
2022.04.27
生理が近づくと急に怒りっぽくなったり涙もろくなったりすることがあるなら、それはP M S(月経前症候群)の症状かもしれません。
今回の記事では、P M Sが起こる原因や症状、P M Sにならないための対策、P M Sと上手に付き合う方法について紹介しています。
目次
P M Sについて
P M Sは生理前に起こる諸症状を意味し、人によって症状の現れ方は異なります。まず、P M Sが起こる原因や、現れやすい症状から解説していきます。
P M Sの原因は何?
P M Sがなぜ起こるのか、その詳しい原因についてははっきりと究明されていません。しかし、症状が生理前に現れることから、女性ホルモンとの深い関りがあると考えられています。
女性ホルモンにはプロゲステロン(黄体ホルモン)とエストロゲン(卵胞ホルモン).があり、生理前になると、これらのホルモンのバランスが急激に変化します。
そして、生理直前の黄体期に突入すると、エストロゲンよりもプロゲステロンの分泌量が増え、それによってP M Sが引き起こされるのではないかと考えられています。
なお、50代前後の閉経に近い年齢でP M Sのような症状が現れた場合では、更年期障害の疑いがあるため、この場合では専門医に相談することをおすすめします。
P M Sの症状
P M Sの症状は、心と体のいずれか、あるいは両方に現れることがあり、症状の現れ方や度合いには個人差があります。次に、代表的なP M S症状について紹介します。
心に現れやすい症状
何でもないところで怒りっぽくなる、イライラする、不安や憂鬱、泣きたくなる、落ち着かない・集中力が続かない、家族や周囲の人に八つ当たりする、情緒不安定になるなど。
体に現れやすい症状
体重増加、むくみ、肌荒れや吹き出物、乳房の張りや痛み、下腹部の張り、眠気、疲れやだるさ、頭痛、腰痛、のぼせなど。
P M Sにならないために
P M Sは自分の意志とは関係なく起こるため、コントロールは難しいと考えられていますが、P生活に少し工夫を加えることで症状が現れたとしても軽度に抑えることは可能です。
では、P M Sにならないための対策について紹介します。
P M Sの記録をつけておく
毎月生理の前になると、「また今回もP M Sの症状が出るのかな?」と不安になることはありませんか?しかし、それは自分の体の状態をきちんと把握していないからです。
例えば、P M Sの症状を毎月記録していたとします。すると、数か月間のデータが溜まったところで、自分に起こる症状の傾向が見えてくるはずです。
そうすると、毎月起こる症状に対する対策を早めに準備できます。また、P M Sの症状で病院にかかる場合でも記録していたデータがあれば、より適切な処置を受けられるというメリットもあります。
無理をしないのが基本
P M Sの症状は短期間で、生理が始まれば徐々に治まります。なので、生理前になったらP M Sの症状を恐れるのではなく、「今は無理をしない時期」と割り切ってマイペースに過ごすようにしましょう。
とはいえ、仕事や家事はP M Sとは関係なく行わなくてはならないものでもあるため、周囲の協力を得ることも大切です。職場は周りの環境によるかもしれませんが、家族にはP M Sの悩みを共有し協力を得られるようにしておくと良いでしょう。
しっかり睡眠をとる
良質な睡眠をとれていないと、それだけで体力を消耗してP M Sの症状が強く現れることがあります。症状が出ている間はイライラすることがあり、なかなか寝付けないかもしれません。
そのようなときには、リラックスするための環境づくりをしてみると良いでしょう。例えば、寝る前のスマホはやめてアロマの香りで睡眠の質を高めるのもひとつの方法です。
タバコやアルコールは極力避ける
P M Sでストレスやイライラを感じると、ついタバコやお酒に手か伸びてしまいがちです。しかし、過度な喫煙やお酒の摂取は、肌荒れを助長させる原因になることはもちろん、健康被害のリスクが高まるため、おすすめできません。
喫煙や飲酒が習慣になっている方は、P M Sの期間だけは少し控えて、喫煙本数を減らすことやお酒を飲みすぎないことでP M S症状の緩和を期待できます。
適度な運動も大切
「P M Sの症状が出るかもしれない」という不安を感じたら、軽い運動をしてみましょう。その際は、わざわざ運動をすると意気込むのではなく、速足で散歩をする、室内でストレッチをするなど、生活の中に無理なく取り入れられる運動を心がけてみてください。
体を動かすことが、心身のリフレッシュにつながり、P M Sの症状軽減に役立ちます。
P M S対処法
P M S対策としてあらゆる工夫を行ったとしても、症状が絶対に現れないということではありません。では、実際P M Sの症状が現れてしまったら、どのような方法で対処すればよいのでしょうか。
専門医に相談
生活習慣の改善でもひどくP M S症状に悩まされる場合、専門医に相談することをおすすめします。婦人科や産婦人科では、症状に合った薬や漢方薬が処方される場合もありますので、辛い症状の改善に役立ちます。
また、体だけではなく精神的な症状がひどい場合、心療内科を受診することもおすすめします。心療内科では臨床心理士によるカウンセリングを受けることもできますので、専門家による心のケアを行うことができます。
デリケートゾーンのケア
P M Sの症状はその時だけ抑えれば良いというものではありません。その後に訪れる生理もまた、憂鬱さを引き起こす原因になります。このような女性特有の症状は、全て女性ホルモンが大きく関わっています。
これらを少しでも軽減させたいなら、デリケートゾーンのケアも非常に大切です。なぜなら、正しい方法でデリケートゾーンのケアをきちんと行うことで、膣やその周辺、子宮の健康をサポートすることができるためです。
また、デリケートゾーンのケアは、不慣れで面倒臭いというイメージがあるかもしれませんが、最近では、デリケートゾーンの環境に合わせて設計されたケア製品が多く販売されています。これらを使用することで、デリケートゾーンの繊細な粘膜部分や皮膚に余分な刺激を与えることなく、膣周りや女性の体の健康を目指せるというメリットがあります。
デリケートゾーン向けのケア製品は、P M Sの症状改善のためにも、ぜひ使用を検討してみてください。
P M Sと上手に付き合うために
ほとんどの女性は、多かれ少なかれP M Sの辛い症状を経験しています。そして、重い症状が現れてしまった場合で、自分が辛いだけでなく、家族をはじめとする周囲に不快感を与えてしまうリスクがあります。
そうならないためにも、まずは毎月のP M Sの状態を記録しておき、自分のP M Sパターンを把握しておくことが大切です。
それに加え、P M S時期には無理をしない、しっかり睡眠をとる、タバコやお酒は控えめ、適度な運動をするというような対策も必要です。
そして、このような対策を行ってもP M S症状の改善がみられないときには、専門医に相談して適切な治療を受ける必要があるでしょう。
また、日ごろからデリケートゾーンのケアを行っておくことも、P M S症状の対策として役立ちますので、ぜひ参考にしてP M Sの辛い症状の緩和を目指しましょう。無理のない範囲で取り組んでみて下さい。
監修 薬剤師 中田早苗
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薬剤師/腸活・膣ケアサポート・ファスティング講師
中田 早苗
薬科大学卒業後、約7年間総合病院で病院薬剤師として勤務。その後、相談薬局にて予防医学の観点から薬を使わない健康法について患者指導を行い現在に至る。食事と生活習慣の見直しから得られる健康に興味を持ち、そのひとつとしてファスティングの魅力に感銘を受ける。便秘やアトピー、自律神経の乱れなどの悩みとファスティングに深く結びつきがあることを実感。現在までに100名以上のファスティングサポートを実施。
資格
薬剤師
ウエルネスファーマシスト(認定運動支援薬剤師)
ファスティングマイスター
美腸プランナー
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中田 早苗
・ファスティング講師
経歴
薬科大学卒業後、約7年間総合病院で病院薬剤師として勤務。その後、相談薬局にて予防医学の観点から薬を使わない健康法について患者指導を行い現在に至る。食事と生活習慣の見直しから得られる健康に興味を持ち、そのひとつとしてファスティングの魅力に感銘を受ける。便秘やアトピー、自律神経の乱れなどの悩みとファスティングに深く結びつきがあることを実感。現在までに100名以上のファスティングサポートを実施。
資格
・薬剤師
・ウエルネスファーマシスト
(認定運動支援薬剤師)
・ファスティングマイスター
・美腸プランナー