デリケートゾーンのお悩み相談室
「スキンケアはどのくらい続ければいいの?」 最低3ヶ月は続ける理由と肌のターンオーバー周期について
2022.06.06
お肌のコンディションと切っても切れない関係にあるのが、肌のターンオーバー周期です。こちらの記事では、肌のターンオーバーの仕組みや乱れる原因、理想的な周期に整えるポイント、化粧品やサプリメントの効果の現れ方について紹介します。
目次
肌の代謝「ターンオーバーの仕組み」
肌のターンオーバーとは、お肌の新陳代謝を意味しています。理想的な周期を繰り返すことで、お肌は良好な状態を保つことができます。ここではまず、ターンオーバーの仕組みについて解説します。
ターンオーバーは4つの層が入れ替わる周期
お肌の層は、外側から「角層」「顆粒層」「有棘(ゆうきょく)層」「「基底層」という4層の構造になっており、最も深い部分にある基底層が時間をかけて表面に押し上げられる仕組みをターンオーバーといいます。
そして、基底層が表皮まで押し上げられてくると、やがて角層に到達し、角質となった細胞はやがて剥がれ落ちていきます。
理想的なターンオーバー周期は「28日」
お肌の最も深い部分にある基底層では、新たな細胞が生成されますが、この細胞が角層に到達するまでには、約2週間が必要だといわれています。
そして、角層に到達した細胞が角質となるまでには2週間が必要だといわれているため、ターンオーバーは「1クール4週間(28日)」で繰り返されることになります。
なお、理想的な肌のターンオーバー周期は約28日間とされていますが、さまざまな理由によって周期が乱れると、肌荒れや吹き出物、くすみといった肌トラブルが起こりやすくなるのです。
ターンオーバーが乱れる原因
肌のターンオーバー周期は加齢で乱れることがありますが、それは、加齢によって肌細胞の新陳代謝が緩やかになると、基底層が角層に押し上げられるスピードが鈍るためです。
しかし、肌のターンオーバー周期は生活習慣によって乱れることもあります。生活習慣の中に潜む、肌のターンオーバー周期が乱れる原因について紹介します。
紫外線
ご存じの通り、紫外線はシミをつくり出す厄介な存在です。そして、紫外線対策をせずに紫外線に当たってしまうと、受けた肌ダメージを回復させる目的で、肌のターンオーバーの周期が早まります。
このように、肌のターンオーバー周期が短いと、乾燥肌や敏感肌などの肌トラブルを引き起こしやすくなりますが、周期が長いと、くすみや吹き出物などの肌トラブルが起こりやすくなります。
喫煙や睡眠不足などの生活習慣
喫煙は体内の活性酸素量を増やす原因になりますので、日常的な喫煙習慣がある方は、そうでない方よりも活性酸素の影響を受けやすく、ターンオーバーが乱れやすくなるといわれています。
また、睡眠時間中には、肌細胞の代謝にかかわる成長ホルモンが分泌されていますが、睡眠時間が短いことで成長ホルモンの分泌量が減ると、ターンオーバー周期が乱れることになります。
栄養の偏り
肌細胞がスムーズに入れ替わりを繰り返すためには、いろいろな栄養成分をまんべんなくとる必要があります。
特にビタミンB群には細胞の代謝を担う役割があるため、この成分が不足した場合にはターンオーバー周期が大きく乱れるリスクが高まります。
間違ったスキンケア
くすみやシミには、週1回程度のピーリングやスクラブ洗顔が良いとされていますが、これらのスキンケアを頻繁に行いすぎると、ターンオーバー周期が極端に短くなって乾燥肌や敏感肌になりやすくなります。
くすみやシミ対策としてピーリングやスクラブ洗顔をするなら、週1〜2回程度に留めておきましょう。
肌のターンオーバーを整えるポイント
肌のターンオーバー周期を整えるためには、まず喫煙や睡眠不足などの生活習慣を改善しなければなりません。その上で以下の対策を行えば、数か月間でターンオーバー周期を整えていくことができます。
念入りな紫外線対策
紫外線対策というと夏のイメージが強いかもしれません。しかし、紫外線は1年を通じて地上に届いているため、季節を問わず対策をしておく必要があります。
紫外線には波長の違いから「UV-A」「UV-B」「UV-C」の3種類があります。地上に到達するのが「UV-A」と「UV-B」で、「UV-C」はオゾン層で吸収されてしまうため、地上には到達しません。
それぞれの性質についてですが、「UV-A」は肌の真皮まで届いて肌老化を促進すると言われます。急激な炎症を起こすことはありませんが、対策をせずに長期的に浴びるとシワやたるみの原因になります。 一方で、「UV-B」は赤くなって炎症を引き起こす性質があります。日焼け後にメラニンを増加させて、シミやそばかすの原因になるだけでなく角層の保湿力を低下させて、肌のカサつきなどのトラブルを引き起こします。
これらのことから、紫外線対策は、クリームやジェル、スプレーのほか、帽子や手袋、日傘などで行えますので、日頃から紫外線対策を行うことをおすすめします。
栄養成分をしっかり摂る
肌のターンオーバー周期を整えるためには、タンパク質やビタミン、ミネラルなどの栄養成分が必要です。その中でも、特に意識して摂る必要があるのがビタミンB群です。
ビタミンB群はカツオやマグロ、レバー、卵、納豆、乳製品などの食品に多く含まれるので、意識的に摂ることを心がけましょう。
また、食事から十分な栄養素を摂れないときには、サプリメントで補うことや、漢方薬での体質改善を行うのもひとつの方法です。
スキンケア方法の見直し
スキンケアの基本は、クレンジングや洗顔をきちんと行ったあとに、しっかりと保湿ケアをすることです。そして、ここで注意しなければならないのは、クレンジング時にはお肌を擦らず、メイクが浮いてきたらしっかりと洗い流してから洗顔をすることです。
メイク汚れがお肌に残っていると、その成分が酸化して肌荒れが起こることがあるので、注意してください。また、洗顔後に保湿ケアをしておかないと、皮脂分泌が増えて脂性乾燥肌になることがあります。 脂性乾燥肌とは、お肌の水分量が少なく、皮脂分泌が多い肌をいいますが、お肌がこの状態になるとTソーンの皮脂浮きが目立つなどのトラブルが起こりやすくなります。そうならないためにも、洗顔後にはしっかりと保湿ケアをして、皮脂の過剰分泌を避けることが大切です。
なお、すでに脂性乾燥肌になってしまっている場合、ひとまず皮脂分泌を抑える作用があるビタミン誘導体配合の保湿化粧品がおすすめです。
まずは3か月試してみる
食事から十分な栄養素を摂れないときに役立つのは、サプリメントで不足しているものを内側から補うということです。そして、肌質や体質改善に有効なのが漢方薬です。しかし、サプリメントや漢方薬を摂取するなら、即効性を求めず、長期的に継続することが大切です。
効果を実感するためには継続することが大事
サプリメントや漢方薬は、摂取したからといってすぐに効果を実感できるものではなく、最低でも3カ月間程度は続けなければなりません。
それは、お肌の状態の変化に気付くまでには、最低でも3回のターンオーバーを繰り返する必要があることと同様で、効果を実感するには「3カ月」がひとつの目安になります。
なお、肌のターンオーバー周期が長引いている状態では、3カ月では十分に効果を実感できない場合があります。
サプリメントや漢方薬を3カ月続けてみたけれど効果が実感できない場合には、生活習慣や栄養摂取状態を今一度見直す必要があるでしょう。
また、お肌の状態は日々変化を続けますが、見た目では確認が難しい場合もあります。
そのような細かい変化を確認するには、変化前の写真を撮っておいて、1カ月経過ごとに肌状態を比較する方法もありますので、ぜひ参考にしてみてください。
監修 薬剤師 中田早苗
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薬剤師/腸活・膣ケアサポート・ファスティング講師
中田 早苗
薬科大学卒業後、約7年間総合病院で病院薬剤師として勤務。その後、相談薬局にて予防医学の観点から薬を使わない健康法について患者指導を行い現在に至る。食事と生活習慣の見直しから得られる健康に興味を持ち、そのひとつとしてファスティングの魅力に感銘を受ける。便秘やアトピー、自律神経の乱れなどの悩みとファスティングに深く結びつきがあることを実感。現在までに100名以上のファスティングサポートを実施。
資格
薬剤師
ウエルネスファーマシスト(認定運動支援薬剤師)
ファスティングマイスター
美腸プランナー
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薬剤師/腸活・膣ケアサポート
中田 早苗
・ファスティング講師
経歴
薬科大学卒業後、約7年間総合病院で病院薬剤師として勤務。その後、相談薬局にて予防医学の観点から薬を使わない健康法について患者指導を行い現在に至る。食事と生活習慣の見直しから得られる健康に興味を持ち、そのひとつとしてファスティングの魅力に感銘を受ける。便秘やアトピー、自律神経の乱れなどの悩みとファスティングに深く結びつきがあることを実感。現在までに100名以上のファスティングサポートを実施。
資格
・薬剤師
・ウエルネスファーマシスト
(認定運動支援薬剤師)
・ファスティングマイスター
・美腸プランナー